コンビーフ。それは、憧れ。それは、夢。
それは、至福の刻を与えてくれる、極上の食。

けれど、私の許にはやって来ることのない、
遠い遠い存在。

グスッ……ポトリッ……。

思い起こせば、
ショーケンの丸かじりから始まりました。

冷蔵庫のドアを開き、
新聞紙をナプキン代わりに首から下げ、
トマト、コンビーフ、リッツ、
魚肉ソーセージに次々とかぶりつく。

あの映像はショッピングでした。

「いや、この服ええ色やわぁ〜」。
じゃなくて、ショッキング!

旨そう、かっこいい、あの食べ方をしてみたい。

すぐにコンビーフを買いに行きました。

で、丸かじりを。

旨い。肉と脂の得も言えぬハーモニー。
こんな旨いものがあったのか、と、即トリコに。

以来、時々ですが、
丸かじりやサンドイッチにして、楽しんでいました。

いつの頃だったのでしょう。
原材料を見て、おやぁ〜。

馬肉が入っていました。

そ、そうだったのか。
牛肉だけだと思っていたのに、
♪馬肉まじりの コンビーフ〜♪だったのです。

そりゃ、そうですよね。
私が買えるような値段ですもんね。

しゃーない。しゃーない。

でも、充分に美味しかったので、良しとしました。

しばらくすると、私の買うコンビーフは、
「コンミート」と書かれるようになりました。

ちょっと貧乏人用みたいな名前で、
ムッとしたんですが、これも仕方がありません。

貧乏人でも100円程度で買えるんですから、
ええとしましょう。

ところが、ところがです。

ガビィ〜〜〜〜〜ン!

数年前から、
コンミートが300円を超えるようになったんです。

ウソ! 何で? そんな……。

もう、ダメです。終わりです。
私のコンビーフ人生に終止符が打たれました。

いや、コンビーフ人生はすでに終わっていました。
コンミート人生です。

もう食べられないのかと思ったら、
心にポッチャリ穴が空いたようです。
って、太らすなよ!

何で高くするの?
庶民の夢を奪うなんて。

馬肉じゃなくて、
他の肉を使ってでも、安くしてちょうだい。

♪ピアノ売って ちょうだい〜♪

私のコンミート人生。
いつか戻ってくることを願って、なぁ〜むぅ〜。
チィ〜〜ン!

終わらせるなよ!